葛飾応為『吉原格子先之図』と、念願の初対面を果たしてきました!
葛飾応為『吉原格子先之図』は、貴重な肉筆画で、原宿にある、太田記念美術館が所蔵しています。
執筆時2026年、3年ぶりの展示です。

対面の瞬間、息を呑んだよね。
葛飾応為の息づかいが伝わる作品だったよ。
スマホやパソコンの液晶では、何度も見た作品。ですが、やはり実物をみて、初めて気づくことがありました。
何より、刷った浮世絵とは違い、葛飾応為本人が命を吹き込んだ“肉筆画”です。
今回の記事を参考に、ぜひ太田記念美術館の展示スケジュールを追いかけてみてくださいね。
※本記事は、専門的知識を元に執筆されたものではございません。個人の感覚によるものが大きいため、予めご了承ください。
葛飾応為『吉原格子先之図』レビュー①|実物そのものの質感!
葛飾応為『吉原格子先之図』を、スマホやパソコンの液晶で見たことがある!という方は、多いと思います。
画面で何度も見たことあるからいいや。と、なりそうな方には特に、太田記念美術館で実物を見るのをおすすめします。

やっぱり実物には、リアルな質感があるんだ!
実物では和紙の質感や、絵の具の浸透具合を、精緻に見られます。しかも、和紙が少ししなっているんです。
葛飾応為という人間が実在したことを、実際に手が触れた作品を通して感じる瞬間でした。
そして私が気に入ったのは、格子の線です。
デジタルな画面で見ると、まっすぐな印象を受けます。
ですが実際には、フリーハンドで描かれているため、格子の線が揺らいでいるんです。

音楽でいえば、Lo-fi Hip Hopみたいな心地よさ。
特に線の揺らぎは、肉筆画ならではの質感だと感じました。
葛飾応為『吉原格子先之図』レビュー②|陰影による立体感
葛飾応為『吉原格子先之図』は、西洋絵画の陰影表現の影響を受けているといわれています。
デジタルな画面ではどうしても全体が光源になるので、立体感までは感じにくいですよね。

太田記念美術館の展示方法なら、立体感もしっかり感じられるよ!
太田記念美術館では作品保護のため、薄暗い照明しかありません。
そのため、作品からの照り返しも少なく、実際に闇夜に浮かぶような吉原の立体感を体験できるんです。

陰影がくっきり出ることで、遊女がいる格子の先がより明るく、華やかな印象になります。
しかも格子の先にだけ、やけに彩度の高い赤が配置されているので、花街の華やかさが一層伝わってきますよ。

格子の手前側にいる遊女。そのくっきりとした影の存在感も際立ってたよ。
葛飾応為『吉原格子先之図』レビュー③|ぼんやりとした提灯
葛飾応為『吉原格子先之図』の魅力は、陰影による立体感だけではありませんでした。
花街の華やかさだけではなく、夜のぼんやりとした空気感も一緒に伝わってくるんです。

特に感じたのは、提灯の明かりだったよ。
実物では、提灯がポウッと灯る様子が、絶妙に表現されているんです。
デジタルでは気づけなかったのですが、葛飾応為『吉原格子先之図』は、細かい部分まで緻密に描かれているのを実感しました。

コントラストの中で、提灯がぼんやり浮かんで見えたよ。
遠くからフェルメールの絵を見たときの感じと似てたような。
ハッキリくっきりだけが、リアルじゃないんだね。
葛飾応為『吉原格子先之図』レビュー④|見物人がのっぺらぼう
葛飾応為『吉原格子先之図』をよく見ると、見物人の横顔が、のっぺらぼうになっているんです。
実は西洋絵画では、全体の印象を画面にしっかりと描いて、
鑑賞する人に、細部を想像したり、補ったりさせる技法がつかわれている作品があるんです。

本当に見たままを描くなら、横顔もあるはずだもんね。
葛飾応為が、西洋絵画の技法を知っていてのっぺらぼうを描いたのかどうかはわかりません。
ですが、細かく見て気づけたことで、応為に関する妄想までできました。
デジタルでものっぺらぼうは確認できますが、実物を見ると、細部を補完している感覚を、より実感できますよ。
葛飾応為『吉原格子先之図』レビュー⑤|思ったより小さい
葛飾応為『吉原格子先之図』は、思ったよりも小さかったです。サイズは26.3×39.4cm。B4より少し大きめくらいになります。
逆にいえば、その大きさに今まで書いた全ての情報が詰まっているんです。

ぱっと見の印象だけだと、ものすごい重厚感があるように感じたよ。
でもだんだんと、過去をのぞき見ているような感覚になってくるんだよね。
すごく正直にいえば、見た瞬間に、ちっさ!となったのも事実です。第一印象には大切ですので、一応書いておきますね。
実際には、小さい中に葛飾応為の魂がこもった傑作ですよ。
葛飾応為メモ
葛飾応為は、富岳三十六景で有名な葛飾北斎の娘です。現存する応為名義の作品は十数点と、非常に少ないことで知られています。
北斎は「美人画にかけては応為には敵わない。」と語っており、北斎との共作も相当数あると考えられているんです。
最近では葛飾応為を主人公にした映画も公開され、知名度もかなり上がっています。

葛飾応為役は、なんと長澤まさみだよ!
太田記念美術館メモ
記事公開時(2026年10月15日)太田記念美術館では、3年ぶりに葛飾応為『吉原格子先之図』が展示されています。
知っておきたいことを書いておきますね。
- 会期 2026年10月6日(火)~12月6日(日)
- 10月13日、19日、26日|11月2日、4~6日、9日、16日、24日、30日は休館
- 11月4日から11月6日の期間で、『吉原格子先之図』以外の作品全点を入れ替え
- 一般1200円で、現金支払いのみ
- 原宿駅から徒歩5分
- トイレはB1階
- 展示室は1階と2階で吹き抜け空間
まとめ
今回は葛飾応為『吉原格子先之図』を、実際に見て感じたことを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
ネットであらゆる画像を検索できる令和だからこそ、実物を見たときの喜びも、格別なものになります。
ぜひお気に入りの作品を、実際に鑑賞してみてくださいね。
太田記念美術館や原宿のカフェの記事も書いてます。寄り道してみてください。
今回の記事が合う方には、この辺りも面白いと思いますよ。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
またね!

